top pageに戻る
TOP PAGEに戻る


=院長日誌補足=
「医療と経済」

2001/04/30 (月)

疲れた・・・
 はたと気が付くと、今月はもう最期の日付であった。

 今月の日誌は滅茶苦茶だった。
 テーマに則ったことはあまり書けなかった気がする。
 精神的に少し疲れているのかも知れない・・・

 ひとつのテーマに絞って一ヶ月続けるスタイルに疲れているのかも知れない。
 実は毎日、こんなことを書いてみよう、と思うことがコロコロ変わったりしていた。

 5月は久しぶりにテーマを定めず「雑記」スタイルで書いてみよう・・・

 そうだ・・・20日に書いたことは却下したい。アメリカではそういうスタイルの保険が一般的になりつつあるらしいが、大きな問題が出てきているらしい。
 何でもかんでも「民営化」や「自由化」はよくないらしい。

 昨日の「医療の歪んだ原点」もひとつのテーマになりそうな気がするので、忘れなければ月を改めて書いてみたいし、掲示板でも討論してみたい。
2001/04/28 (土)
2001/04/29 (日)
「合併号」

医療の歪んだ原点
 顎の状態は一進一退といった感じである。もう少し様子をみたいが・・・

 よく週刊誌などで、合併号というのがあるので、ちょっと真似してみた・・・その分ちゃんと2日分の中身のつもりである。

 27日付けで書いた朝日新聞のハナシはよく見ると「見出し」も何にも書いていないので、まったく訳の判らない記述であった。

 かいつまんで記載しよう・・・
 某大学の医学部で、研修医が過労死した原因を巡る調査が入るという内容である。 労働時間が法定(週40時間)の3倍近い114時間に達し、賃金も最低基準に満たない6万円、とうてい「労働基準法」に準拠したものではないということ。

 実は医大のみならず、大きな病院の「研修機関」は大なり小なりこんな実態である。
 歯科もまた同様である。

 僕も大学卒業当時、一年間は無給であった。そのクセ朝8時前には出勤し、夜11時、12時、いや日付が変わるまで仕事をすることも珍しくなかった。日曜・祝日も出勤を強要された。僕も週100時間以上大学にいたかも知れない・・・

 それでも「労働している」という反面、「研修させてもらっている」という意識も強かったため、辛かったが文句は言わなかった。それが当たり前だとも思っていた・・・

 2年目も大学からは一文も給与は出なかった。「職員」という身分はなかった。あくまで「研修医」である。研修しているものに「金など出せるか」という考えだったのだろう。

 さすがに2年目はアルバイトで施設の歯科治療などにでかけたが、そこから得られる収入も一度「医局」に入り、手にする金額は12万円ほどだった。

 事情により、卒業大学の小児歯科講座を辞したあと、札幌のとある口腔外科の医局に入局したが、境遇は似たり寄ったりだった。いや、入院患者さんが50人いて、休日の日直や夜間の当直がある分、拘束される時間は大きかったかも知れない。
 でも通常の歯医者ではとうてい見ることのできない「貴重な症例」を沢山診ることができたし、全身管理など勉強になることも沢山あったので、文句はなかった。

 また、それが「研修医」たる由縁だろうとも思っていた。
 月に手にするお金は恐らく平均して20万円くらいのものだったろう・・・当直の日当やアルバイトを含めて、である。それが大学卒業5年目まで続いた。

 大学を出て、普通の企業に勤めたりあるいは公務員になったりして、最初の1年間は研修機関だから無給です。ということがありえるだろうか?
 その後も法定労働時間の3倍働いて、給与が十数万円ということがあるだろうか?

 実はこういう部分に「医療」の歪んだ原点が潜んでいるかも知れない、と昨日思ったわけである。
2001/04/27 (金)

医療と経済へ舵修整
 大分顎関節の調子はいい。なぜか、本日は朝から調子が良く、昨日記載した「薬のこと」はケロっと忘れて、昼に思い出したくらいである。

 寝る前の気分にもかなり左右されそうだ・・・

 それとも、2か月分溜めていた経理の仕事をバタバタと片付けたからだろうか?
 実は、この経理の仕事が億劫と言えば億劫なのである。金勘定が面倒くさいのである。

 金にルーズとか、どんぶり勘定というわけではないのだが、とにかく現在の状況は「自転車操業」で右から入ったお金が左にスルーパスで流れていく、手許にはほんのチョッピリしか残らないという状況が続いており、そのくせ「経理に七面倒くさい作業をやらなければならない」ということが煩わしくてしょうがない。

 さて、今月も終わりに近づいているが、28日(土)の朝日新聞朝刊トップに面白い記事がある。(これを書いているのは28日早朝である)
 ぜひ朝日新聞を購読されている方はお読みいただきたい。

 ここら辺に「医療と経済」を論じる上での「重大なカギ」が隠されているかも知れないと思う。
2001/04/26 (木)

顎関節症日誌・5
 数日で自然と収まるだろうとタカをくくっていた顎関節症の症状だが、あまり改善しない。慢性化しているのだろうか・・・
 このままではまずい。
 顎関節症は慢性化すると治療が難しくなる。

 ただ、もう「ストレスの原因追求」はあきらめた。例えストレスの原因が判明したとしても、どっちにしろそれを「かわす」ことはできない運命にあるようだ。

 ではどうしたらよいか?
 解決法は二つである。ひとつは数日前にも書いたが、寝る時に上あごに嵌めるスプリント(一種のマウスピース)を作るか、今一つは寝る時に「筋弛緩剤」を服用するかである。

 実はアロフトやミオナールといった一種の筋弛緩剤の服用は筋緊張性の顎関節症に効果があることが多い。恐らく肩凝りや頭痛にも効くことであろう。
 明日、出入りの薬問屋に注文してみよう・・・朝注文すると昼過ぎには届く・・・

 ただし、多分寝ている時にヨダレを垂らすだろうなあ・・・
2001/04/25 (水)

顎関節症日誌・4
 今回、軽い顎関節症と外傷性咬合のような症状に見舞われて、ひとつ反省していることがある。もちろん発症の原因になるようなことについての反省ではない。

 僕はかねてから「顎関節症」のほとんど、「歯周疾患」のかなりのケース、そして「虫歯」ですら一部のケースでは「ストレス」が原因だと思ってきた。
 今でも思っているが・・・

 そして患者さんに「歯周疾患の原因のひとつにストレスがあります。思い当たるフシはないですか?」とか「ストレスを軽減する対策を考えてはいかがですか?」などと言ってきたものだった。

 「顎関節症」に至ってはほとんどの原因はストレスだと思っていたので、このストレスを見つけ出して、それを「自覚」するだけでも症状が改善された患者さんもいる。

 中学生の女子生徒。突然口の開け閉めで強い痛みが出るようになった。思い当たる物理的な原因はない。歯並びはキレイ。
 母親を交えてじっくり話しを聞き出すと、合唱部とバレーのレッスンのどちらか、あるいはどちらもが本人の「ストレス」になっていると判断された。

 そして合唱部の練習を中断すると症状はピタリと収まった。
 結婚を境に、あるいは出産・育児を境に顎関節症に陥る女性も多いことから、やはりストレスはかなりおおきな因子であることが推察される。

 そして、僕は何を反省したかと言うと・・・
 ストレスの原因が「明確には思い当たらない」のである。
 特に最近何かが劇的に変化したことはない。すべて「最近に至るまでの数ヶ月」と「最近」を比べて何も変わっていないはずなのである・・・

 今まで患者さんに散々、「ストレスが原因です。思い当たるフシはないですか?」と尋ねてきたくせに自分では「何がストレスになっているか判らない」からザマはない・・・
2001/04/24 (火)

顎関節症日誌・3
 昨日、今日あたりから右上と左上の奥歯の歯茎に痛みがある。
 恐らく外傷性咬合と呼ばれる状態と思われる。これは「強く噛み締め」たり、「歯軋り」をすると現れる可能性のある症状で、歯と骨を繋ぐ「歯根膜」という部分に一過性の炎症が現れている証拠である。

 実は数日来の顎関節症と発端は一緒のはずである。

 今月の初頭、ひどい頭痛の肩凝りに悩まされた。見返してみると今月5日付けの「補足」で記述しているのが判る。
 だから今回の顎関節症や外傷性咬合の原因も最近起こったことではなく、4月初頭あるいはもっと以前の事象に原因があるのではないかと推察される。

 さて、閲覧いただいている方々にもご心配をおかけしているようだが、実は僕は今の状態を客観的に「貴重な体験」だと思っている。
 「虫歯」の体験をする歯医者は多い。恐らく「歯周疾患」に感染している歯医者も少なからずいると思う。

 でも顎関節症を体験する歯医者はどの程度いるだろうか?

 実は大した深刻な症状はない。午前中顎関節部と歯茎がちょっと痛いくらいである。命に別状の出るほどの疾患ではない。またひどい頭痛や肩凝りに比べると楽なものだと思っている。

 転んでタダで起き上がる性格ではない。これを機に「顎関節症」に関し、理解を深められて好都合と思っているのである。
2001/04/23 (月)

顎関節症日誌・2
 今日は朝起きて右の顎関節を押さえながらそーっと口を開いてみた。
 さほどの痛みはない。でも口を開けて下顎を左右にズラすと右の顎間接はちょっと痛む・・・

 寝る時に口にはめるスプリント(マウスピースの一種)を作ろうかどうか迷った。
 あれを作るには、まず上下の歯型を取らねばならない。

 ・・・

 実は、僕はあれが大の苦手なのである。嘔吐反射が強いのである。
 歯型を取るネバネバした物体(印象剤と言う)が喉の奥にくる、と思っただけでもオエっとなりそうになる。

 学生の時、実習で相互に練習するのだが、涙ポロポロでゲエっとくるのを我慢していた。あれ以来歯型は取っていない。

 もうちょっと顎関節症の方は様子をみることとしよう・・・それよりも本来は「ストレスの原因」を追求しなければならないのだが、今のところ主な原因は見つかっていない。
 とりあえず、水曜日に税理士さんが来るのだが、実は税理士さんに渡す資料や書類をまとめる作業を2ヶ月ほったらかしていた。

 密かにこの1ヶ月その事は気になっていた。それをまとめる作業をしたら治るだろうか・・・
2001/04/22 (日)

顎関節症日誌・1
 悲しいかな、どうも顎関節症に陥ってしまったようだ・・・

 数週間前から時々朝起きたとき「メシを喰うために口を開けると」右の顎関節が「ガキ」っと言う音がしたのだったが、別段それ以外の症状はなかったので放置していた。

 昨日、今日はやはり朝食時、口を開けると右顎間接に「バキ」っと音がして、イテテテテというくらいの痛みが走ったのである。その後もカクカクする感じがしたり、右の顎間接部を指で押すと痛かったりもする。
 典型的な顎関節症だ・・・

 実は数日前から右上奥のハグキがちょっと痛かった。
 これは無理に噛みしめていたサインだと思っていた。

 原因はストレスだろう。ここ数週間ひどい肩凝りと頭痛にも悩まされてきたし・・・

 今月のサブタイトルとはちょっと離れるが、今日からは「顎関節症日誌」になるかも知れない・・・
 う〜〜〜カクカクして痛い・・・やはりまともに治療しなきゃだめかな・・・
2001/04/21 (土)

健康保険の矛盾・2
 まあ、昨日書いたようなことは現実的には無理だろう・・・
 でも、将来(あるかないか全く判らないが)「健康保険」が民営化され、外資もどんどん参入してくるようなことがあれば、昨日書いた「リスク別の保険」ということも起こりえるかも知れない。

 生命保険のように「健康診断」をしてから「健康保険に加入」ということもあるかも知れない。恐らく、このシステムの方が「人々は健康に気を遣うように」なるのではないかと考える。
 もちろん、先天性の疾患や不慮のケガ、どんなに健康に留意していても陥ってしまう疾患に対しては「公的」に扶助した方がいいだろう。

 虫歯にしてもそうである。大半の虫歯は「自己の怠慢」か「親の怠慢」が原因で起こる。どんなに虫歯を治療して「キチンと歯磨きするよう」何度言っても口の中を絶えずドロドロの状態で来院される方もまれにいらっしゃる。
 あなたが毎日3度3度食後歯をキチンと磨いていて、それでもなおかつ虫歯になってしまう、というのと訳が違うのである。

 まして、日本の健康保険制度は「予防」には摘要されない。
 これも馬鹿げたハナシである。本当は予防に力を入れた方がよほど予算を使わなくてすむハズなのである。
 口の中を半年に一度「無料で定期検診」できるシステムを作った方が、なってしまった虫歯を治すよりはるかによいはずである。

 まだまだ矛盾はある。
 少なくとも僕は「保険医」として、その枠の中でほとんどの診療を賄わなくてはならないが、いつも矛盾を感じながら治療している訳である・・・
2001/04/20 (金)

健康保険の矛盾・1
 さて、今月のサブテーマは別段「健康保険」に絞っているわけではないのだが、もう少し続ける。
 実は様々な問題点があり、むしろ国民の健康を悪化させているのではないかと思われる部分もあるからである。

 保険とは「万が一何かがあったとき」に備えて大人数で拠出金を出し合い、現実に「万が一の不測の事態」が起こった場合に支給するというのが主旨であるはずだ。

 そして、健康保険の性格は「いつなるか判らない疾患やケガ」に備えて加入し、万が一疾病や傷害があった場合は医療を受けるという現物で受給するというものである。

 僕がまず矛盾を感じているのは、いわゆる「生活習慣病」と呼ばれる疾患に保険が適応されることである。
 例えば、大酒飲みのヒトがいたとする。毎日毎日「好きで」大酒を浴びて肝臓を壊したとする。恐らくこれでどんな手厚い治療を受けようと保険で賄われるだろう。

 甘いものが無性に好きで毎日ケーキや大福を食らっているヒトがいたとする。糖尿病になってももちろん保険は支給される。(ペットボトル飲料も毎日1.5リットル以上飲むと糖尿病になるらしいが)
 喫煙もしかりであろう。

 難しいのは「線引き」である。適度な飲酒はむしろある種の疾患に対して抑制効果があるなどといった記事は時折目にするし、食後の適度なデザートは潤いをもたらしてくれるだろう・・・適度な喫煙もストレスの緩和に役立っているかも知れない。

 ただ、「十分に健康に留意し、酒もタバコも暴飲暴食もしない」というヒトと一緒にするというのはいかがなものであろうか?

 例えとしては不適切かも知れないが、自動車の保険はうまくできていると思う。事故を起こしてしまった場合、保険料率が上がるからである。
 またABSやエアバッグなどの安全装備のある車だと、保険金が割引になったりもする。年齢や車種によっては保険率が上がる。

 そういう仕組みが保険制度にも導入できないものか?と思う・・・
2001/04/20 (金)

「補足」
 Microsoft Internet Explorerをお使いの方々へ・・・
 セキュリティーにまつわる重大な欠陥が見つかったそうです。Gabacho-Netさんの「急告」をご覧下さい。また、セキュリティーホールを修復するてだても書いてありますが、そのまま単にパッチをダウンロードしても「インストールの必要がない」というダイアログが出る可能性が高いようです。僕もそうでした。
 一度本体をダウンロードしてから、パッチを当てるとインストールされました。

 近日中に恐らくこの問題は大きく顕在化するものと思われます。
2001/04/19 (木)

ムラ社会
 農耕民族気質、島国根性が「健康保険制度」とどう関わるのだろう・・・

 実はここからは僕の単なる推論に過ぎない。
 我が国の国民の気質に「助け合い」とか「共済」といった意識が強いのではないだろうか?
 言い換えれば共同体意識とでも言えるかも知れない。

 これは恐らく狩猟民族にはあまりない考え方なのではあるまいか。
 多種多様な人種、民族が渾然一体となった環境では生まれづらい意識だと思うからである。もちろんどちらがいいとか悪いとかはこの場では抜きである。

 表現が適切かどうか判らないが、良くも悪くも「ムラ社会」なのである。

 知識と経験豊富な「長老」が指揮をとり、呪術も交えて種々の方針を立てる。決まりごとは話し合いで決め、誰か一人の独裁ということは少ない。
 困った時は助け合い、喜びも皆で分かち合う。皆と同じことをしていれば間違いはない。間違ったことも皆ですれば正しくなる。

 逆に悪い点は、皆と同じようにしていなければならないことであろう。昨日も書いた「出る釘は打たれる」である。
 つまり、極端な「個性」というのは排除されてきたと思われる。

 まあ、これは今の学校教育でも受け継がれていると思う。シャンシャン総会もシャンシャン国会も皆似たり寄ったりである。談合も贈収賄も「身内に甘い体質」も全てこの気質から生まれる。

 こんな風土が「国民皆保険制度」を生んだのではないかと思っている。
2001/04/19 (木)

「補足」
 お陰様で、昨日カウンターが「11000」を達成いたしました。キリ番を取られた方はお申し出下さい。カウンター画像添付を原則としておりますが、やり方が判らないという声も聞きます。
 アクセスログを確認しますので、お使いのプロバイダーと閲覧されただいたいのお時間をメールで教えて下さい。確認が取れ、他に名乗りを挙げる方がいなかったら認定したいと思います。
2001/04/18 (水)

出る釘は打たれる
 戦後日本は多くのことを再構築するにあたり、米国の制度を模してきたと思う。教育制度や経済の仕組み、そして生活スタイルなどである。
 そりゃそうだろう。占領下にあって逆らえない。
 アメリカもよく早々に占領を解除したものだと思うが、やはりそれも「世界戦略」の構想の一部だったのであろう・・・

 細かなことはたくさんある。例えば字を横書きするとき、昔は右から左に書いていたが、これも欧文スタイルに左から右へと改められた。
 服装なんかも大幅に影響を受けたと思う。
 住居のスタイルや「家族」の単位なんかもかなり真似をしてきた部分があろう。

 我が国には古来「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言い伝えがあるので、第二次大戦で敗北した時は、戦勝国には何でも従え、見習えという暗黙の了解があったのではあるまいか・・・

 根本的に変えられなかった部分は、「農耕民族気質」、「島国根性」だろうと思う。

 農耕は狩猟と違い、多くの人手を要する。しかもひとつの成果・収穫を上げるまで半年かかる。また我が国の地形は平坦な部分が少なく、手入れが大変だ。

 種を撒けばあとは収穫まで放っておいてよい、というわけにはいかない・・・
 台風のような自然災害も多く、ヘタすると実りの秋を迎えられないこともある。

 苗を作り、田植えをし、そして手入れをして、収穫する。この作業はタイミングが大事なので、一時一時非常に統制の取れた集団作業が要求される。
 また、効率よく作業するために、地主から小作までのシステム構築も重要であったろうと思われる。

 集団作業に適さない人格は「社会不適合者」のレッテルを貼られたりしたこともあったかも知れない。
 とにかく、「協調」を求められる社会システムが育成されてきたことと思う。

 「出る釘は打たれる」これに類似する格言が他国にあるかどうか判らない。が、しかしこれが我が国の体質をよく言い表している。
2001/04/17 (火)

我が国の風土
 実は、現在の我が国の保険医療制度は相当疲弊していて、様々な問題点があるにもかかわらす、何ら抜本的な改革がなされていないのが現状である。

 近い将来、必ず破綻が訪れると思うが、生保や銀行、ゼネコンなどのように「公的資金」が救済のために使われるかどうか・・・いやもうすでに「公的資金」は投入されているカタチなのかな?・・・

 滅多に誰も言わないことだと思うのだが、この我が国独自の「全員健康保険加入制度」は恐らく我が国の歴史や風土、国民性に根ざしたものだと思う。

 この歴史・風土・国民性は実に多くの部分で影響しているのに、あまり人々は意識していない。
 そして、今、その歴史・風土・国民性は「国際社会」の中で揺れているし、何より国民がその矛盾点や整合性に関して「もがいている」最中なのである。

 僕は歴史にも疎いし、民族学者でもない。でもコドモの頃から肌で感じてきた我が国の独自の「雰囲気」は良くも悪くも次のいくつかの点に由来するものと信じている。
 色々な問題点を考えるとき次のいくつかの点を念頭に置くと理解しやすいのである。

・我が国は古来、「農耕」を主体として生計を立ててきたこと。
・我が国は島国であり、絶えず閉鎖・隔離された環境にあったこと。
・我が国は地震や台風などの「一過性」の自然災害が多いこと。

 他にもまだあるかも知れないが、主たる要因は上記のようなことであろう・・・
 これが国民皆保険制度とどう関わるかは明日以降書くとする。
2001/04/16 (月)

日本の医療費
 留学しているはずの患者さんがひょっこり現れたのは、今年の2月のことであった。
 確か1年以上は留学の予定と聞いていたので、いぶかって事情を聞くと、昨年暮に前歯の接着剤が外れ、カナダで歯科医院を受診したら、有無を言わさず抜かれ、その上「入れ歯」にされた、ということだった。

 そこまでの治療費は日本円にして約4万円かかったとのこと・・・もちろん保険外である。

 入れ歯の見かけはそんなに悪いものではなかったが、本人にしてみればかなりショックだったことと、かなり違和感が大きいことと、そしてブリッジにするには約10万円かかると言われ、急遽帰国してきたらしい・・・

 まず、そのいきさつがどうこうということを置いておいて、我が国の「健康保険」で前歯を一本抜いて、そこに入れ歯を入れたらいくらかかるかご存知だろうか?

 初診料や再診料、レントゲン代や薬代、全て込みにしても2万円に満たない。もちろん一部負担金ではない。トータルで、である。そして実際窓口で支払う一部負担金はそのうちの2割なり3割となる。

 どう計算してもカナダの料金の半分以下となるのだ。

 実は我が国の医療費は「先進諸国」と呼ばれる国の中でも異常に低く抑えられているのである。

 カナダでブリッジを入れたら10万円と書いたが、我が国ではどうだろう?
 約7万円となる。これも約30%安い額である。入れ歯よりはマシだが・・・

 もちろん単純に比較できない。日本は諸外国の中でも「物価が高い国」として知られる。土地代も高い。食料品も日常雑貨も高い。
 安いのはカメラと電化製品くらいだろう・・・

 その中での医療費の安さは、恐らく「数字に表れない」部分でかなり割安なはずだ。
2001/04/15 (日)

歯が折れた!
 漢字圏の国では、最初の「お金」は「貝殻」だったらしい。
 「買」とか「購」とか「賃」とか「貨」などお金にまつわる字には「貝」が入っているのが証拠らしい。余談だが・・・

 多分、お金の登場と発達に平行して、医療に携わる者への報酬も、お金を使って支払われたものと考える。

 もちろん、定価とか相場というものはなかったであろう。患者さんの支払い能力に合わせてもらっていたかも知れない。
 昨今「米国で心臓移植で6000万かかる」という報道を見たりすると、ブラックジャックも「法外」ではなく思えてくるから不思議だ。

 我が国に「健康保険」という制度が拡充してきたのは戦後のことである。詳しい歴史や背景は僕は知らないが、とにかく「国民皆保険制度」の名の元に整備されてきた。
 この制度は多分日本独自のもので、どこかの国や地域をモデルにしたという話は聞いたことがない。
 ・・・・・

 昨年夏、ある患者さんが飛び込んできた。
 カナダに留学する予定だと言う。ところが渡航数日前にして、以前どこかの歯医者で治療済みの前歯が硬いものを噛んだ途端、グラついて痛むと言う。

 見た瞬間、根の途中で折れていることが判った。念のためレントゲンを撮ってみるがやはり折れている。
 今日明日中にどうこうもできないので、とりあえず「プラスチック系の接着剤」で隣同士の歯にくっつけて固めた。こうすることによって本質的に「治る」わけではないが、少なくとも応急的に「症状を出づらくする」ことはできる。

 もちろん歯のグラつきは収まったし、痛みも収まった。
 「極力前歯で硬いものを噛まないように」と注意を与え、接着剤が取れないことを祈るような気持ちで見送った・・・
2001/04/14 (土)

ケイザイのルーツ
 ものごとは大抵「非常に単純化」して考えると判りやすい。
 僕は法律にも歴史にも「社会科的」な事柄にうといので、何かを考えるときには単純化して考えるか、ルーツを考えて整理を付けようと試みることが多い。

 例えば、ケイザイ。なぜカタカナで書くか、というとよく判っていないことだからである。 
 原始人になったつもりで考えるとよい。

 大昔はお金がなかった。もちろんお金がなくたって「経済」は成立する。恐らく物々交換をしていたであろう。
 現在の「医療従事者」のような役割を果たす人もいたことだろう。恐らく薬草についての知識が豊富であったり、いろいろな病気をどうすれば悪化しないか、とかどういう転帰をたどるか、という知識が豊富だったに違いない。

 我が国では縄文時代には「どの集落に属するか」で特定の歯を抜く習俗もあったと聞いたこともある。あるいは歯を抜くことに「長けた」人もいたのかも知れない。
 その技術は当時は恐らくめったになかったであろう「虫歯や歯槽膿漏で歯を抜かざるを得ない場面」で活躍していたのかも知れない。

 報酬もあったかなかったか判らない。
 しかし、体の調子が悪いときに「的確に」診断し、「的確に」手当ての知識を持って、例えば「的確に」薬草を処方するような人がいたならば、感謝されたことであろう。

 ケガの手当てをして、消毒効果のある薬草を貼り、それでケガの回復が早まったら、もちろん経済的な損失も最小限に留めることができる。

 あるいはそういう役割の人は疾病や傷害を手当てするごとに、魚や野菜を「もらって」いたのかも知れない。
 (明日に続く)
2001/04/13 (金)

スリッパの消毒
 今日、出入りの「掃除器具業者」がスリッパを自動的に殺菌する機械のパンフレットを置いていった。

 スリッパ自動殺菌機の仕組みは、入れ物の上から使用済みのスリッパを入れると、中で紫外線のランプにより殺菌され、下から自動的に出てくるという構造のようだ。

 一番気になるスリッパの先端部分まで紫外線が届くのかどうかは判らないが、手間はかからなくて便利そうだ。

 当院では患者さん一回の使用につき、スリッパをアルコールで消毒し、「消毒済み」という帯を巻いている。これはスタッフにやってもらっているが、概ね患者さんには好評である。

 くだんの「スリッパ自動殺菌機」のお値段は138,000円もする。さらに毎月スリッパ交換・洗浄と称して2,000円かかる。
 もちろん「紫外線」を当てるだけで、「汚れ」は落ちない。もちろん「臭い」も落ちない。

 スタッフにスリッパをアルコールで拭かせていると、時々結構臭うスリッパがあるそうだ。
 断然手作業で消毒した方が完璧だと思う。

 高い機械を入れても「治療の質の向上」には繋がらない。イメージの改善にはよいかも知れないが・・・でもその機械の代金は「患者さんの治療費」から負担することになるのである。
2001/04/12 (木)

1周年


(ローソク多すぎ)
 本日を持ちまして、当サイトは満1歳になりました。
 まだまだヨチヨチ歩きで、つたない中身ではありますが、今後も日々成長していく予定です。

 まずこの1年間、つつがなく発展してこられましたのも、一重にご閲覧いただきました皆様のお陰と感謝いたしております。

 なお、ここ数日CGIにも取り組みまして、新たな掲示板を設置いたしましたので、どうぞお立ちより下さい。
 本当は、1周年でガラっとトップページを変えたかったのですが、手が回りませんでした。

 今後とも御ひいきのほど、何卒宜しくお願い申し上げます。
2001/04/11 (水)

注意1秒ケガ一生
 僕はいつもスタッフに言い聞かせていることがある。
 「決して作業を端折るな」と「焦るな」である。何でも確認させている。

 別の言葉で言い換えると「急がば回れ」ということになる。

 面倒くさかったり焦っていると、どうしてもいい加減になったり中途半端にしてしまうことがある。これはゲンに慎まなければならない。
 作業は全て確認しながら進まなければならない。

 さもなくば、「後でもっと面倒な事態になる」ことが往々にしてある。
 昨今報道されることの多い「医療ミス」は「確認を怠った」、「面倒くさくて作業を端折った」ところから大抵は発生している。

 交通事故防止の昔のスローガンで「注意1秒、ケガ一生」というのがあったが、まさにそれである。
 一瞬たりとも気を抜いてはいけない。その場で面倒くさいからと気を抜くと、後でもっと面倒くさいことに陥るのだ。

 この教訓は「経済」にもあてはまる。今の日本の経済構造自体、一瞬一瞬で対処していればここまで「面倒くさい」ことに陥らなかったかも知れないし、保険医療構造にしてもここまで行き詰まることはなかったのではないかと思う。

 でも「どん底」まで事態が悪化しないと、動かない人達は多い。
 「薬害エイズ」にしても「硬膜移植のヤコブ病」にしても亡くなる方が数十人、数百人単位で出ないと「動かない」行政って何なのだろう?と憤りを感じる。

 こういう体質がお役所の「トップ」にあるのだから医療の現場が良くなる訳がない。
2001/04/10 (火)

自分さえ・自分すら
 「医療と経済」とやや大げさなサブタイトルにしてしまったものの、改めて読み返してみると、書いていることは大したことがない。

 世の中には勘違いしている人が多すぎる。一番困るタイプは「自分さえよければいい」という人だと思う。
 医者・歯医者の中にもこの手の方がいる。少数であろう、と信じたいが・・・

 残念ながら「自分さえよければいい」と言う人は長い目で見ると「自分すらも」幸せになれない、ということが判っていない。
 まず「自分がよく」なろうと思ったら、「周囲をよく」しなければならない。
 「周囲がよく」なれば、おのずと幸せは自分に帰ってくる。
 ここが僕なりに「経営」の勘所だと信じている。

 僕も人間の「欲」が少なからず備わっているので、「自分もよく」なりたいと思う。しかし、「自分さえ」とは思わない。これは大変愚かなことだと信じているからである。

 経済とどういう関係があるかって?
 経済こそまさに「自分さえよければいい」という考え方はダメな世界だろうと思っている。
2001/04/09 (月)

経営
 書き様は自由なのだが、僕は可能な限り患者さんに「満足していただける」治療を目指している。実際、患者さんがどう思われているかは判らない。
 でも、一度治療が終了して、再度いずれかのお口の中のトラブルがあった時、他には行かずうちに来ていただけるところを見ると、「大きな不満」はないのではないかと勝手に思っている。

 さて、「仮に」あくまで仮にであるが、辺見歯科医院がある程度以上繁盛していないと仮定しよう。
 もし「患者さんにどんなに手厚い治療をし」、「サギまがいのことをせず」、「保険でできる治療は保険の範囲でし」、「可能な限り痛くない治療を追及し」ていても、「辺見歯科医院が潰れて」しまったら、それは全て水の泡である。

 「辺見歯科医院でなければダメだ」という患者さんが少なからずいらっしゃると思う。

 つまり、「経営」ということはどうしても考えなければならないのだ。
 「殿様商売」はやっていられない。僕も最大限経費節減に努力しているし、なんとしても医院を維持していかなければならない。

 それは、僕自身と僕の家族、そしてスタッフの生活云々以前に「患者さんに対する責務」だろうと思っている。
2001/04/08 (日)

言い訳
 昨日のハナシの続きになるが、僕は少なくとも自分は「雇用形態」から見ると「自営業」だと思っている。
 保健所のいわば「営業許可」をもらい、北海道知事の「保険医療機関」の指定をもらい、銀行に「事業計画書」を提出して融資を受け、自分の好きなように診療所をアレンジし、誰の指図も受けずに日々診療している。

 これは他の「自営業」(ラーメン屋さん、床屋さん、酒屋さん)と何ら変わりはないと思う。従業員も数名雇い、ちゃんと労働基準法に則って働いてもらっている。

 もちろん自分のメインの仕事は「歯科診療」であるが、実はその他に多くの仕事をしなければならない。
 月々の支払いをまとめて銀行に振込みに行く。従業員の給与も・・・。
 日々お金を計算し、請求書や領収書をまとめ、月々税理士さんに提出する(もちろんこれをご自分でやられる先生もいる)
 月々レセプト(診療報酬明細書)を書き、まとめ、提出する。これも本来の「歯科医療」の仕事とは関係はない。レセプトの作成は大半の歯科医はコンピュータで打ち出しているが、僕は頑固に手書きである。

 他、時々だが、従業員の補充や退職にまつわる手続き、広告戦略、備品の買出し(トイレットペーパーや洗濯洗剤など)、僕はコピー機もプリンターも持っていないので、かなり頻繁にコンビニにコピーしにいったりもする。

 極端に言えば、頻度的には本来の「歯科医療」の仕事と「自営」ならではの仕事と「半々」くらいかも知れない。今日もレセプトを提出しに「社保の事務所」と「国保の事務所」に行き、その足でホームセンターに行って洗剤や事務用品を買ってきた。そして午後は庭の手入れをした。

 言い訳がましいが、僕がうっかりこの職業形態を「商売」と言ってしまった由縁かも知れない。
2001/04/07 (土)

自営業
 アンケートや何らかの調査票で職業を書く欄があるが、大抵は選択肢になっている。
 サラリーマンとか自営業とか公務員とか区分けされている。

 実は職業の区分けには二通りある。
 私企業に勤務して月給を受け取る方々は概してサラリーマンと呼ばれる。商社でも銀行でも建築業でも運送業でも・・・
 医者・歯医者でも私立の病院や診療所に「勤務」していればサラリーマンである。
 そして国公立病院の正式な職員であれば、「公務員規定」に則った給与が支払われる公務員ということになる。

 そしてもちろん、自分で事業を起こして開業すれば「自営業」なる。
 「雇用形態」に基づく仕分けなのであろう・・・

 別のくくりはそれこそやっている内容の仕事に基づく分類である。「運送業」とか「塾経営」とか「コンピュータプログラマ」などという仕分けになるかと思う。

 冒頭述べたアンケートや調査票などの仕分けはここらへんがごっちゃになっている。
 国勢調査などの正式な調査票ではわりと厳密だったと思うが・・・

 そういう意味から、開業している医院が「自営業」であることは間違いはない。
 僕もアンケートなどではケースバイケースで「自営業」にチェックを入れたり、あれば「医療関係者」などの欄にチェックを入れることもある。

 大学院などに在籍する医者なんかはもっと複雑であろう・・・「医者」であり「学生」であり、いろいろな医療機関でバイトでもしていれば「アルバイター」でもある場合があるからだ。どこにチェックを入れても偽りにはならない。
2001/04/06 (金)

医は商売か?
 いつかは歯科の治療費のハナシや経済にまつわるハナシを書かなければ、と思っていた。たまたま掲示板で「会計」のハナシが「商売」のハナシに拡大していったので、テーマを修整させていただく。

 我が国の産業の大きな区分けは、今も変更がなければ医療は「サービス業」に該当する。これはまぎれもない。農林水産業でも鉱工業でもない「くくり」に分類される。情報通信産業でもない。

 私達は「医療」というサービスを提供し、それに見合った対価をいただく。
 (厚生省が定めた保険診療の「定価」や自費診療にかかる価格が妥当かどうかという問題はここではおいておく)

 もちろん、このサービスはあくまで「特定の人」に対して「個別の対応」をし、転売したり、売買したりする性格のものではない。
 この点から考えると狭義のサービス業というくくりにもあてはめるのは気がひける。

 事実、「医療はサービス業」という考えは以前はなかった。それは国民一人当たりの医師・歯科医師の数が不足していた頃は、完全な「売り手市場」であったからである。
 また「市場」などと書くと語弊があるかも知れないが、あくまで僕が「乏しい経済の知識」を振り絞って「らしく」書こうと尽力している結果である。

 問題は医療が純粋な「商売」にあたるかどうかであるが、これは「否」と言わざるを得ない。
2001/04/05 (木)

「補足」
 ここ数日体調がすぐれません・・・
 頭痛がひどくて、ちょっと今日はテーマに沿ったお話は書けません。申し訳ございませんが、ご勘弁願います。

 また、今月の冒頭のテーマは変更させていただくことといたしました。
 明日より「医療と経済」と変えさせていただきます。
2001/04/04 (水)

患者さんのクレーム
 「文句を言う患者さん」は一般には「困った患者さん」、「扱いずらい患者さん」と受け取られるようだが、僕は違う。大歓迎である。

 実はクレームを言ってくれる患者さんの方がありがたいのである。
 治療内容にせよ、待遇にせよ、料金にせよ「不満があったら」口に出してくれた方がよっぽどいい。
 もし不満があってもこちらに言わず、別のところでそれをブチまけられる方が困るのである。

 仮に患者さんが思っていたより金額が高かったとする。もし「どうしてこんなに高いの?」と直接言っていただければ説明して納得いただける可能性もある。でも患者さんが口に出さず飲み込んでしまい、別の所で「あそこの歯医者は高い!」などと吹聴して回られる方が僕にとってはもっと困るのである。

 僕は治療途中痛いのを我慢して治療を受けていただくのが嫌いである。
 僕自身痛いのが嫌いなので、それを我慢していただくということ自体耐えられないのである。

 だから痛い時は必ず「痛いことを申告」していただいた方がありがたい。ヘタに我慢されて「アソコの歯医者は痛くないことをモットーにしているようだが、すごく痛かった」などとどっかで言われては困るからである。

 もちろん「どう手を尽くしても痛みを取れない」場合もある。炎症がひどくて腫れたりしている時は最初から麻酔は効かないし、ヘタに麻酔をするともっと痛くなることもあるからである。
 そういう時は仕方がない。炎症を抑える薬と痛み止めで、とりあえず対処するしかない。
2001/04/03 (火)

万引き
 これは本当に稀なのであるが、「一部負担金」を払ってくれない方もいる。

 僕は3000円以上の治療費がかかる場合は、「次回このくらいかかります」ってだいたい告げておくのであるが、それでも会計の場で「持ってない」と開き直って払わず、その後も連絡が取れなくなる方がいる。

 もちろん「何らかの事情」があるのだろう・・・僕も鬼ではない。たかだか数千円のお金に目くじらを立てるつもりはさらさらない。
 ただ、こそこそと「電話にでない」とか、行方をくらます、といったことをしないで欲しいのである。

 もちろん持っているお金が足りなければ、僕は「お支払いはいつでもいいですよ」と言っている。

 事情があるならあるで、「これこれこういう事情で払えない。1ヶ月後でも構わないか?」と言って欲しいのである。
 最高半年待ったケースもある。ボーナス一時払いというやつだ。もちろん予め、ボーナスが入ったらお支払いいただく、とお約束しておいて、である。

 予め金額を言っているのにも関わらず、お支払いいただけないのは「食い逃げ」や「万引き」に相当する。

 でもこれは「保険証を持って来ない」方に比べると罪は軽いのだろう・・・
2001/04/02 (月)

無断キャンセル
 次に困るのは「お約束」を守ってくれない方である。

 中でも無断で予約をキャンセルされるのは大変困る。
 当院では原則として予約制を取っている場合、患者さんの治療に見合った時間を考えて時間枠を取っている。(他のところは知らないが)

 時は金なりであるが、それ以前に「他の患者さんにも迷惑がかかる」ことをあまり意識されないようである。
 例えば「A」さんが9時に予約を入れたとする。10時から12時まで他の患者さんの予約も入っているとする。
 「B」さんはできれば9時に予約を取りたかったが、受付で9時から12時までは予約できません、と言われ12時過ぎの予約となる。

 もしAさんが勝手に予約をキャンセルした場合、それはBさんに対しても非常に失礼なことをしたことになるのだ。

 突然別の予定が入ったりしてどうしても予約時間に来れないケースもあるだろう。それは仕方がないことであるし、「予約は絶対守って下さい」とは言っていない。予約をキャンセルされる場合は是非「電話で連絡」して欲しいと言っているのである。
 かりに予約時間直前でもいい。無断よりはずっとマシである。

 もちろん歯科医院によってはキャパシティー以上の予約を入れて、仮に予約をしても1時間も待たされる、という例もあると聞く。これは論外だが、こちらにとっても患者さんにとっても「時間」は貴重なものである。

 まあ、当院ではとりたてて罰則などを決めていないが、中には無断キャンセル2回で「次の予約」ができなくなる、などといった取り決めをしている歯医者もあるようである。
 そういうギスギスしたことは、うちではしたくない。
2001/04/01 (日)

食い逃げ
 さて、たいていは僕は患者さんの味方のつもりだが、時々味方に付けない方々も存在する。
 患者さんは「医療機関」を自由に選択できるが、こちらは「患者さん」を選択できない。「診療の求めに応じる義務」が法で定められているからである。

 いろいろな意味で「困った歯医者さん」が世に存在することも確かであり、折に触れて書いてきたが、今月はたまにこちらのサイドから見た「困った患者さん」をテーマに書こうと思う。
 患者さんとして医療機関を受診する際の参考にしていただければ幸いである。

 受診の際、「保険証」を提示されない方が結構いる。
 職場で突然銀歯が取れたり痛くなったと言ったケースで駆け込んで来られる方は、不意のできごとのため保険証を携行していないことが多い。

 もちろん無条件で診療する。医師と患者さんは「信頼関係」が第一と考えるので、まずこちらから相手を「信用」しなければならないと思うからである。
 そして治療費も保険の種類に応じた「一部負担金」しかいただかない。

 たいていは後日、すぐに保険証を持ってきていただける。
 一度東京の方で保険証を携行せず、北海道を旅行中に歯が痛くなったという方が見えたが、後日保険証の内容をFAXで送付いただいた。

 ところが、まれに保険証なしで受診したあと、「保険証を提示されない」患者さんがいるのである。これには大変困る。
 問診表に書かれた自宅に電話に掛けてみるが、「ただいまこの電話は使われたおりません」。
 職場の欄に書かれた電話に掛けてみるが、「その方は勝手に退職しました」。

 こうなるとお手上げである。無論手を尽くせば居所を突き止めることができるのかも知れないが、そうそう頻繁なことではないし、手間を掛けても割に合わないかな?などと思って諦めてしまう。

 こういうケースは最初から確信犯なのかも知れない。れっきとしたサギである。

2000年: 7月号 8月号 9月号 10月号 11月号 (以上、雑記)
2000年:12月号 「カレンダーと時間のナゾ」
 
2001年: 1月号 「バカは風邪ひかない、と進化論」 
2001年: 2月号 「歯はなぜしみるのか?」
2001年: 3月号 「僕のIT革命」