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「間違いだらけの歯医者さん選び」

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7-2: 上手な歯科のかかり方(2)
 ネットは便利なもので、メーリングリストというものがあります。特定の仲間でメールを一斉にやりとりする仕組みですが、歯科医師のメーリングリストというものもあります。
 先週、その中で「24時間診療する歯科医院」のことがちょっと話題に上っておりました。たまたま前槁で診療時間のことを書いておりましたが、いよいよ歯医者も「コンビニ」並になってきたなあ、という感がいたしました。
 コンビニを真似るのは時間だけにして、診療内容やサービスの質まで「コンビニ」に追従しないでいただければ、と思っております。

 さて、新規に歯科医院を探すあなたが、次に着目していただきたいのは「診療科目」です。
今現在、「歯科」の領域で標榜(看板に掲げること)が認可されている科は「歯科(一般)」、「小児歯科」、「矯正歯科」、「口腔外科」の4つです。
 ただし、これらの科を標榜するのに資格はいりません。

 問題がいくつかあります。まず、「インプラント科」や「審美歯科」などの標榜を掲げることが、正式には認められてはいない、ということです。
 都道府県の対応の違いはあるかもしれませんが、現在はこういったことや「レーザー治療」などは標榜、広告に記載することは禁じられております。(そのうち規制が緩和されてくるとは思われますが・・・)

 もう一点の問題は先にも述べた、標榜に資格がいらないということです。
 極端な歯科医院は上記の全てを標榜しているところも、中にはあります。まあ、それぞれ専門のドクターがいるか、あるいは別の所(大学なり他の診療所)からやってきて専門の科を診るというなら別ですが、一人のドクターしかいないのに、3つ以上の標榜を掲げているところは、要注意です。(それがダメだと言っているのではありません)
 ただし、これはある程度人口の密集している、都市部あるいは都市近郊での話です。過疎地においてはまた別で、歯科医院が少なくて一人のドクターが全て一通り診なくてはならないところもあるでしょう。
 
 要するに「餅は餅屋で」、ということです。個人の「医院」でも同じことが言えると思います。
 都市部でドクターが一人で内科、外科、小児科、産婦人科と数多く標榜しているところには、少なくとも僕はかかりたくはありません。

 僕の私見ですが、一つの科をある程度自分のものとして身に付けるのに、最低5年はかかると思います。矯正などは、長い経過を診なければならないので10年は学んで欲しいところです。
 小児歯科にしても、口腔外科にしても、サワリを学ぶだけなら2〜3年でもいいかも知れませんが、やはり本格的に自分のものとして身に付けるには5年から10年はかかるでしょう。

 ちなみに僕の医院は「歯科一般」と「小児歯科」を標榜しております。小児歯科は、出身大学の講座に2年しか在籍しておりませんでしたが、その後3年間籍を置いた口腔外科、そしてその後約4年勤務した歯科医院で、十分子供を診る機会が与えられたと思っています。
 「口腔外科」は標榜しておりません。とても3年位の修行では標榜できるほどの腕前には到達していないと、自分で判断したためです。もちろん、「口腔外科」に籍を置いたことのないドクターよりかは若干ましだとは自負しておりますが・・・

 ですから、もし一人のドクターが4科全てをほぼ「完全に」診ることができるようになるには最低でも20年はかかるということになります。もちろん、頭が非常に良かったり技術のマスターが非常に早い人は、もっと短期間で診ることができるようになるかも知れませんが・・・
 数は少ないですが、そういう歯科医も中にはいることでしょう。

 問題は、あなたがインプラント治療や審美歯科などに関わる治療を受ける可能性がある場合です。これは「よい歯医者」を探すよりも難しいことです。
 インプラントや審美歯科に関しては、また別の槁に詳細はゆだねるとします。

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