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「間違いだらけの歯医者さん選び」

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5-6: 治療法と治療費の目安(歯槽膿漏編-3)
 さて、中程度に歯周炎が進みますと、少し歯がぐらついてきます。この時点で歯医者に掛け込む人は、まだ歯を救うことができます。大体歯の根の半分位までは骨が溶けています。
 また、この段階では痛みが出ることもしばしばです。歯茎が慢性的に腫れているはずです。出血したり、歯と歯茎の境目から膿が出たりもします。

 徹底した歯茎の治療をすれば良くなります。と言っても、溶けた骨が元通りになるわけではありません。これ以上進行しないようにするための治療になります。骨の溶け方が一部分であれば、ある特殊な膜を使って、骨を再生する治療もありますが、100%うまくいく治療ではありませんし、なにより保険が効かない治療法です。

 保険の範囲で治療しますと、まず、前槁で述べた治療が行われます。そして、状態をチェックした後、さらに進んだ治療を行います。根を徹底的にきれいにしたり、根っ子の周りの悪い歯茎をとったりします。(もちろん麻酔をした上で)
 さらに治りがよくない部分に対しては手術が必要になります。

 治療費は歯の根をきれいにしたり、悪い歯茎をきれいにしたりする治療で、通常何本かづつ行われるので、明確には書きづらいです。一度に治療する本数にもよりますが、3〜6本位が妥当なところでしょうか?これですと2割の負担で約400円〜800円位、3割で600円〜1200円位になるでしょう。
 手術をした場合は度合いにより様々ですが、もっとも重い手術で歯一本につき2割負担で1200円、3割で1800円ですが、やはり何本かにまたがって行われることも多いので、ケースバイケースになるでしょう。あくまで上記は目安とお考え下さい。再診料やお薬代はもちろん、歯周疾患の管理料などが加算されることもあります。

 ここで、大事なことは、一旦歯茎の状態が良くなっても、ブラッシングを怠るとすぐに元に戻ってしまうということです。歯周炎を起こす細菌を根絶することはできません。どんなに治療をしても、細菌はお口の中に住んでおります。スキを狙ってまた、歯茎を攻撃してきますので、油断しないことです。
 そのためには定期的に歯科医院に通い、メンテナンスが重要です。
 そう言った意味からも、歯周疾患の治療に終わりはないのです。

 さらに進行したケースでは歯がかなりぐらぐらしてきます。歯を抜くか抜かないか、という微妙な選択を迫られるケースもあります。しかしながら、骨が歯の根のまわりで完全に溶けた状態であれば、抜いた方が無難でしょう。

 中程度、あるいは重度の場合、ぐらついている歯を、比較的しっかりした歯に何本かまとめて接着剤で固定してしまう、という治療法もあります。多くは一時的ですが、条件が良ければそのままずーっともつこともあります。
 これもケースバイケースですが、ぐらつく歯を固定して歯の寿命を延ばすことが可能です。
 いったん固定しておいて、その後本格的な手術などをすることもあります。

 歯周疾患の治療は、ものすごく熱心な歯科医師からほとんど手をつけない歯科医師まで、取り組み方が全然違います。
 患者さんの反応も、ものそごくまちまちです。虫歯だけ治してくれればいい、歯茎には関心がない、という方も結構多いです。
 これは、わが国の健康政策の誤りのひとつではないかと思われます。

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