top pageに戻る
トップページに戻る


「間違いだらけの歯医者さん選び」

前のページに戻る   「目次」へ戻る   次のページへ進む

5-3: 治療法と治療費の目安(虫歯編-3)
 さて、虫歯菌ははっきり言っておバカです。なぜなら自分達の住む環境(人の口の中)で人の歯に付いた糖分を食って酸を出し、結果的に歯を溶かす。彼らが住む環境を破壊していくのみだからです。
 まあ、人間様も自分達の住む環境を食い物にして、破壊し続けていることに変りはないのですが・・・

 虫歯菌が象牙質に達すると、あっと言う間に進行し、拡大します。
 だんだん神経に近づいていくと、冷たいものが強くしみるようになります。
 だまっていても痛くなったら虫歯菌が神経に達した証拠です。最近では抗生剤を使って虫歯菌を叩いて、神経直前で食い止めるという治療法も開発され、一部試験的に治療に生かしている歯医者もありますが、保険がまだ適応になっていません。
 また、適応を誤ると、結局神経を取らなければならないので、歯科医師の診断能力が問われるでしょう。

 一般的には虫歯が神経まで達してしまった状態をC3と言います。C3にも、今まさに虫歯菌が神経を攻撃している状態から、神経がやられてしまって根の先まで化膿した状態まで様々です。
 人間の痛みの中で一番強い痛みを味わうのは、この段階です。(私も経験あります)
 神経が死んでしまうと、あれだけ痛かった痛みはいったん収まるケースが多いです。もちろん、「治った」わけではありません。ここからさらに放っておくと、今度は根の先の骨に炎症が波及してまいります。

 さらに放っておきますと、根の先に膿の袋ができて、どんどん大きくなっていきます。
 そのころになると、歯も元の形が判らないくらいぼろぼろになっていることもあります。C4と呼ばれる状態です。通常C4と診断されると、抜くことが必要になりますが、抜歯の話はまた槁を改めます。

 神経の治療は色々な段階があって、また状態により、歯の種類により、これまた書き切れないほどありますので、かいつまんで書きます。
 また、歯科医師によって治療方法がかなりバラエティーに富むのも、この処置の特徴かも知れません。

 一般的に神経の治療の流れは次の通りです。
1)神経が生きていれば、麻酔が必要です。
2)神経が入った管まで歯を削ります。
3)とげのついた針で、神経を掻き出します。
4)ぎざぎざのついた針で神経の入っていた管をきれいにします。
5)細菌を殺す作用と、痛みを出にくくする作用のある薬をつけます。
6)場合によっては上記5の治療を何回か繰り返します。
7)神経が入っていた管に一種の樹脂をつめます。

 以上が一連の「神経の治療」になります。この治療の治療費がとてもバラエティーに富むもうひとつの訳は、「歯科医師の方針、治療にかけられる時間、虫歯菌に犯された歯の状態に応じて、一度の治療でどこまでするか」で全然治療費が変ってくることにあります。
 極端な話、上記の1から3までの段階で一回の治療が終わるかも知れませんし、場合によってはいっぺんに1から7までやってしまうことも、まれにはありえます。また、症状次第では6の段階を何回も繰り返す必要があるかも知れません。
 また、段階段階でレントゲンを撮ったり、虫歯の部分を覆う歯茎の肉があったらそれを取り除く処置が必要な場合もあります。

 以上により、歯を削って詰めたり被せたりというよりも、料金の呈示ははるかに難しいです。

 あえて書きますと、神経をとる治療単体で、大臼歯の場合2割負担で1200円、3割負担で1800円位とお考えいただければ幸いです。もちろん初、再診料、レントゲン代、その他根の長さを計る検査、その他の処置、さらにお薬を出してもらったら、その分上乗せになります。
 もし初診で奥歯が強く痛む、他にも虫歯がありそうだ、歯槽膿漏も気になる、といった場合、初診料、検査、全体を写すレントゲン、大臼歯の神経を取る治療、薬代を合算すると、結構な費用になります。
 2割負担で3〜4000円、3割ですと5〜6000円位かかってしまうこともありますが、これは仕方がないことです。

前のページに戻る   「目次」へ戻る   次のページへ進む