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「間違いだらけの歯医者さん選び」

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4-3: 治療費の話(3)
 さて、一部の悪徳な歯医者さんが存在することも、確かではありますが、保険で真面目にやっていても、患者さんには「料金が不透明だ」という印象を持たれることが、たまに肌で感じます。
(逆に保険外の自費の方が、料金体系が大雑把でわかりやすかったりすることもあります)

 「値段表やお品書きのないすし屋みたいだ」と言われたこともあります。
 さらに以前新聞で「なぜ歯科医院でスーパーのレシートみたいな明細をもらえないのか」という投書を目にしたことがあります。

 正直にお答えいたします。
 まず、保険の治療費は全て、事細かく定められております。但し、その「値段表」は200ページから300ページに及ぶ膨大なものです。治療のたびにその「値段表」をみてカルテに書いていては間に合わないので、一般には歯科医師会がまとめた「早見表」を見ながら点数を書きます。
 もしくはコンピュータに計算させます。

 治療の区分はとても細かく定められていて、例えば、銀歯一つとってみても、歯の種類、使う金属の種類、歯を覆う程度、さらに子供や障害者の区分まで含めると、なんと60種類もあります。
 さらに、これがブリッジになったり、くっつける接着剤の材料など、いろいろ複雑になると、その値段のバリエーションはまさに「天文学的」数字になることでしょう。
 まあ実際は、使う材料などある程度絞り込んで選択することにはなりますが・・・

 例えば、次回入れ歯が入る患者さんに「この次いくらかかりますか?」と聞かれたとします。
残念ながら即答はできません。入れ歯に付く歯の本数、種類、使うプラスチックの種類、金属の種類、何本バネがかかるか、金属部分の作成方法、等などの項目によって値段が細かく分かれてきます。
 さらに保険の種類によって1割の負担(今はめったにありませんが)から3割の負担、あるいは老人の負担など、全く異なってきます。これらをいちいち電卓を叩いて計算していては、診療が滞ってしまいます。
 ですから僕は「次回いくらかかるのか」と尋ねられたら、大体7000円から10000円くらいの間です。等と、非常に大雑把に答えさせていただいております。
 それでも患者さんは安心されるみたいです。
 「10万円かかるかと思った」とホッとする方もいます。

 だいたい、確かに医療費というのは(医者にかかるにも歯医者にかかるにも)大変不透明であるという感はあります。
 子供が熱を出して、小児科にかかるにも一体いくら治療費がかかるか検討もつきません。「とりあえず1万円位持っていけば、間に合うかなあ」位の皮算用で受診します。そりゃそうです。どんな検査が必要で、どんな処置が必要か、ということは受診してみないと判らないからです。

 虫歯一本にしてもそうです。ものすごくしみていても、ちょっと削って詰めるだけの治療で済むかもしれないし、はたまた神経を取って最終的には冠を被せる治療が必要かも知れません。
 前者ならば3割の負担でも全部で2000円位で済みますし、後者ならば前歯だったら全部で10000円以上かかってもおかしくはありません。患者さんの立場からすると、不明朗な会計ったらありゃしませんよね。

 でも、治療自体には大体の相場があります。こういうことが結構詳しく書いてある本も、本屋さんに売っています。でも、点数はすぐに改定されてしまいますし、また自己負担率なども変ってしまうためあまり参考にならないかも知れません。
 そこで、一大決心をしましょう。次回より「治療費の目安」という槁を書き綴りましょう。
 多分ものすごく参考にしていただけるのではないかと思います。

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