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「間違いだらけの歯医者さん選び」

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4-1: 治療費の話(1)
 この槁はとても興味深いものとなるでしょう。
 お金の話がからむと、書く方も面白いですし、読む方も関心が高いだろうと思われるからです。
また、歯医者の良し悪しを問う時、避けては通れない項目でしょう。

 歯医者の治療費は、保険の範囲で診てもらっている限り、「全国一律料金」です。東京は高くて、北海道は安い、ということはありません。これは大変公平の様にも思えますし、場合によっては不公平の様な気もします。

・患者さんの立場からみた、公平/不公平
 全国どこで治療されても、料金は基本的に同一です。保険の個々の治療は、料金が決められているからです。まあ郵便料金みたいなものとお考えいただければ、近いかも知れません。
 葉書一枚東京から沖縄に出しても、青森から仙台に送っても50円です。また、大きさや重さ、速さや重要度に応じて細かく料金体系が組まれております。ただし、今後郵便局がもし民営化されたり、今の宅配業者が参入自由化されれば、料金はなしくずし的に下がったり、地域によって格差が生じてくる可能性はありますが・・・
 一見公平に見えますが、本当にそうでしょうか?
 
 例えば、極端な例かも知れませんが、すごく美味しいラーメンに出会って一杯700円払うのと、もうこんなラーメン二度と食うものか、というくらいまずいラーメンを食わされて一杯700円請求されるのだったらあなたはどう感じますか?
 
 歯科治療でも(仮に保険の範囲で治療したとしても)、こんな例はたくさんあります。
 ある歯科医院のコンセプトは、早いが治療の質は並という考え方。別の歯科医院はじっくりと丁寧にというコンセプト。治療費はどちらも同じなら、あなたはどちらを選択されますか?
 これが「公平」と思われますか?

・歯科医師の立場からみた、公平/不公平
 誰が治療をしても、均一でうまい下手の差がなければ、全国の統一料金であっても不満はありません。ところが卒業後1年目の新人が下手な治療をしても、開業20年のベテランが治療しても同じ料金というのは、おかしいと感じませんか?
 もちろんベテランでも勉強をおこたって、下手な治療をするドクターもいるかもしれませんし、新人でも新しい知識と技術をもって治療にあたるドクターもいるかもしれませんが・・・
 
 大衆食堂で、パートのおばちゃんが作るラーメンと、その道20年のラーメン屋のおやじが作るラーメンがもし同じ値段に定められていたら、どういうことになるでしょう。
 
 もちろん、僕も卒業1年目の時もありましたし、どんなにベテランのドクターも1年目はありました。でも、1年目の時から疑問は感じていました。どうしてベテランのドクターが治療しても、僕らが治療しても、同じ料金なんだ、と。
 
 大学に籍を置いていたときの話です。市内の出張先にタクシーを拾って行きました。行き先を告げたところドライバーいわく、「私は今日の乗車が初めてなんです」。結局いつもの道よりやや遠回りとなってしまい、料金はいつもより高めでした。出張先でタクシー代を出してくれるので文句は言えませんが、自腹なら怒っているところでしょう。

 僕の友人で、保険の範囲でとても丁寧な入れ歯を作る歯科医師がおります。材料も最高のものを使い、患者さんもとても満足している様子です。でも、まったく採算が合わない、とこぼしておりました。丁寧な治療をすればするほど患者さんが患者さんを呼びますし、医院は混雑することでしょう。でも、丁寧な入れ歯を作れば作るだけ、赤字が膨らむ。こんな馬鹿げた話はあるでしょうか?
 入れ歯のご老人が多い地区とのことで、入れ歯以外の治療で入れ歯の赤字を補っても、採算はなかなか合わない、とのことです・・・

 そうかと思えば、よくこんな粗末な入れ歯を患者さんの口の中に入れるなあ・・・と思わせられる入れ歯も見かけます。採算を重視すればそうなるのでしょう。
 でも、どっちも料金は同じとは、何か変だと思いませんか?

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